私たちにできること

大震災から2週間が過ぎ、余震はいくぶん落ち着いたものの、
原発による被害が電力不足から放射能汚染へと広がってきたことで、
東京からも関西へ、あるいは国外へと避難する人が少なくないようです。

今や東京で暮らすことも、まるで危険な土地でのサバイバルであるかのようで、
節電をしたりしながら前向きになっていた気持ちにも、
ときおり不安の影がさし、仕事に集中できないときがありました。

 

そんな中、書のお稽古に行ってきました。

こういうときなので、復興への祈りを込める般若心経にチャレンジ。
お経の意味するところも理解していない私が、とも思いましたが、
筆をとると、波立っていた心が徐々に鎮静されていくのでした。

清々しい達成感で、帰りには新宿伊勢丹に立ち寄り、
切らしていた化粧品と新しい下着を買いました。

 

私たちにできること。

自分の日々の仕事をこれまでのようにこなし、
ふだんのように消費をして生活していくことこそが、
日本の復興につながることなのでしょう。

そして、災害を前にしたときにデザインは無力、などと悲観することなく
デザインにできることを考えていこうと思います。

東日本大震災 被災者のみなさまに

それは、平和に自分の誕生日ディナーを楽しんでいた翌日、
帰省を経て、伊勢神宮参拝の会に参加しようとしていた矢先の出来事でした。

あの瞬間を境に、すべてが想像できないほど変わってしまったという現実は、
揺れの直後につけたテレビからの映像で知ることとなりました。

五日目となった今日も、まだ十分には言葉にならないのですが、
とにかくこの場を借りて、命を落とされた方々のご冥福を祈り、
被災されたすべての方々に、心よりお見舞いを申し上げます。

余震や原発の問題など、まだまだ不安材料は多く、
すぐに状況が改善されるという見通しも立たない状態ではあります。
ただ、そんな中で外国の方々からのあたたかなメッセージや
日本人の国民性を評価して励ます各国の報道内容が、
しずんだ気持ちに光を与えてくれることもありました。

Twitterなどのソーシャルネットワークも、
本来それらが向かうべき良い方向に働いた一面があったようで、
今日は感動的なTwitterをまとめたfacebookのサイト
知らせていただきましたので、ここにご紹介したいと思います。

感動は瞬時に連鎖する───。

それを実感して、胸が熱くなりました。
郵便局まで義援金の寄付に出かけて、
帰ってきたところで送られてきたサイト。
これを少しでも人に伝えたくなりました。

 

なによりも、被災者のみなさまに
これらの言葉が伝わりますようにと、願ってやみません。

 

 

 

ambiente 2011に出展 その2

ennの参加メーカーである玉川堂の製品では、サービングプレートのサイズ別に百枚単位での見積もりオーダーをいただきました。玉川堂は今年、ワイングッズも自主的に出品しています。手前のワイングラスはリーデルとのコラボレーションで、ガラスと鎚起銅器を特殊な技術で接着させたもの。ガラスと金属の組み合わせは、メッセ会場広しと言えどもなかなかありません。
後方のボトルクーラーは玉川堂とKRUGのコラボレーションによるもので、ennの製品ではない参考出品ですが、ボトルを包み込む優美なフォルムに来場者の関心が集中していました。

メッセ会場を廻っていると、自分自身が好きなものとの出合いもあります。この木箱のメーカーもそのひとつ。「ERCOLANO」というイタリアのメーカーで、数年前、美しい配色のジュエリーボックスに一目惚れしました。今年は放射状のデザインの箱を出品しているようです。
自分では多色使いのデザインをあまりしませんが、こういう色と形で直球勝負しているものには理屈抜きで惹かれます。

このアクセサリーブランド「COEUR DE LION」もブース散策で見つけたお気に入り。どこで買えるのかたずね、サイト入りのカードをいただきました。あいにくショップまで出向く時間がありませんでしたが、このネックレスの配色には釘付けでした。

新潟県から毎年出展している地域ブランド「百年物語」ブースでは、新しい農具を発見。農業のブランディングの仕事もしているため、こういう道具に反応してしまいます。農具のユーザーでなくても良質な道具であることが伝わってくる一品でした。

国際市場での貴重なダイレクトマーケティング体験。成果と課題を残しながら、三日間の滞在期間はあっという間に過ぎ、現場をアテンドスタッフにおまかせしてフランクフルトを後にしました。そして、帰国後に待っていたのは都内での新たな販路のオファーです。

ennのブランディングを担当し始めた頃から、どの仕事でも売り場までをよりしっかりと見据えるスタンスになりました。ユーザーと企業が直にコミュニケーションする場ですから、デザイナーにとっても当然といえば当然のことなのでしょうね。