ambiente 2011に出展 その1

毎年約15万人が来場する恒例のフランクフルト国際消費材見本市「ambiente」にennで出展してきました。2006年以来なのでかれこれ6回目になります。1号館から11号館まである広い会場で、私たちのブースは10号館の2階。bodumなどをはじめとするキッチン用品やテーブルウェアのブースが集まっています。

ennのプロデューサーである明道章一さんの「キッチンプランニング」のブースの半分以上を使ってenn製品を展示。最前面に配した漆プレートとカトラリーは、通りかかる多くのバイヤーたちが手に取っていきますが、今年は特に初日の午前中に訪問バイヤーが多く、商談スタッフが手一杯のときには、私も接客をしました。

今年は、これまでのテーブルウエアの他に、フォトフレーム、アクセサリー類、既存のプレートを活かした時計の試作も出してみました。テーブルから生活空間全体に少しずつ広げていけたらと思っています。時計は、インドのバイヤーから贈答用に2,000個の見積もりオーダーをいただきました。

ときどき日本から出展している他のブースも訪問したり、訪問されたり。燕三条からは、私がブランドロゴを担当した燕三条ブランドスノーピーク諏訪田製作所ほか出展企業が多く、夜は大勢で街に繰り出します。

メッセ初日は20人以上でドイツ料理店に。ヴァイツェンビールを飲みながら、どんと盛られたソーセージやシュニッツェル(カツレツ)、じゃがいもなどをいただきます。フランクフルトには、タイ料理やベトナミーズの美味しいお店もありますが、初日はやっぱりドイツ料理でしょう。

6時前に起きて8時半から準備をし、一日会場で市場調査をして、6時過ぎたら片付けてみんなで夕ご飯。日本での日常生活ではあり得ない、人間らしい一日でした。

金沢・富山の美味しい旅

年明けからの大忙しですっかり更新の間が空いてしまいましたが、先月、裏地桂子さんのお誘いで冬の金沢・富山に美味しい旅をしました。ご一緒したのは「幻燈士なかだ」の中田昇さんと「金沢倶楽部」の丹羽麻理さん。お二人とは初対面ながら、力のある料理人と地元の情報通という心強い道連れです。
「小松弥助」のお寿司に富山の寒ブリ、満寿泉の醸造元「舛田酒造」訪問が目的の美食旅行。まずは、二十一世紀美術館経由で「小松弥助」にランチにうかがいました。

日本全国からやってくるお客さんでなかなか予約がとれない理由は、もちろんとても美味しいからですが、その美味しさは「ひと」からくるところが大きいようです。握るのが楽しくて仕方ないといった感じの、今年80歳になるご主人のこの笑顔。当たり前のことですが、やっぱり料理はなにより素材と「ひと」の調和ですね。私もこんな風に、お客さんに活きの良いデザインをぽんっと出しながら年を重ねたいなぁ。

大満足のランチの後は各駅停車で富山へ。「舛田酒造」のある岩瀬の街は、舛田隆一郎さんによって風情のある街づくりがなされていました。陶磁器、ガラス、木彫などの若手工芸作家さんたちの工房も訪ね、最後に「舛田酒造」の雰囲気のよいセラーや工場を見学。これから銘酒へと育っていくお米も美しいです。

一日の出来事と思えないほど盛りだくさんな日の終盤のお楽しみは、「海老亭別館」での寒ブリと日本酒の晩餐です。舛田さんが選んでくださった満寿泉をはじめとするお酒を、料理ごとに合わせていただきました。地元の旬の食材に地元の銘酒で、絶妙なマリアージュを満喫。

その後、金沢にもどって「広坂ハイボール」というバーへ。よく飲み、よくいただいた至福の一日は、まだまだ終わりませんでした。

旅のお土産は、金沢の「甘納豆かわむら」のレモン菓子などを買い込みました。以前、裏地桂子さんにいただいて、あまりの美味しさに一気に一袋食べてしまった逸品です。手作り感たっぷりの素朴なパッケージが可愛い。こういう愛嬌のあるデザインには私が入る余地はなさそうですね。

犀川沿いにあるガラス作家、辻和美さんのショップ「factoryzoomer/shop」にも案内していただき、黒と磨りガラスが印象的な小皿を2点購入。つくりたいものが非常に明解な作家さんのようで、それが作品の魅力にもなっています。

美味しいものだけでなく人やモノとのよい出会いにも恵まれた今回の旅。裏地桂子さん、中田昇さん、丹羽麻理さん、舛田隆一郎さんたちに感謝です。旅から帰った翌日がいきなり徹夜でしたが、その後を乗り切っていく大きなエネルギーにもなりました。

間もなく、毎年恒例のフランクフルト見本市出展。ennの新製品も発表しに行ってきます。次の旅も、実り多いものになりますように。