風評被害に負けることなく

震災から長かった一ヶ月が過ぎ、
少しずつ食事の会にも誘われるようになりました。
過剰な自粛による経済破綻という二次災害を防ぐ目的と、
自分たちの明日への活力を蓄えるためですが、
昨夜の集まりにはもうひとつ目的がありました。

放射能の風評被害にさらされている地域の農産物を
農家のみなさんと一緒にテーブルを囲んで美味しくいただき、
みんなで元気になろうということです。

ギリークラブの渡辺幸裕さんにより
「東京元気シリーズ」という名で始まったこの会、
昨日は栃木の海老原ファームのとびきり美味しい野菜を
ホテルニューオータニ東京のSATSUKIで太田高広シェフに
特別メニューとして料理していただくという企画でした。

放射性物質が基準値を下回り、普通に出荷されている安全な野菜が
市場で買いたたかれるきびしい現実にありながら、
農家のみなさんは被災地に野菜を届ける活動も始められています。

 

消費者である私たちにできることは、彼らが丁寧につくる野菜を
これまでと変わらずに購入して美味しくいただくこと。

つくり手の海老原さんを前にして野菜を頬張るとき、
20名近く集まった「エビベジ」ファンの顔は、一様にほころんでいました。

 

日本全体が、海外からの風評被害にあっているという深刻な事態。
日本の中で風評被害の加害者と被害者をやっている場合ではありませんね。

私と、お隣に座っていたコピーライターの永松聖子さんは、
仕事としても農家のみなさんの応援団をしています。
9軒の栃木の農家さんたちが美味しい野菜づくりの技を磨き、
チーム名も決めて市場にデビューしようという矢先に起きた大震災。

難易度が高まった分、
デザイナーとしてもやりがいがあるというものです。