岐阜に帰っています

締め切りをいろいろと抱えながらも、連休は岐阜に帰省しています。私ひとりのときは実家に泊まりますが、今日のようにふたりのときは都ホテルが定宿。山頂に岐阜城がそびえる金華山と長良川という眺めが窓いっぱいに広がる快適な部屋で、川を渡れば川原町の古い街並の散策もできる、岐阜のよきエッセンスが詰まった地域なのです。
岐阜に着くとすぐにランチに向かうのが、川原町の泉屋さん。長良川上流の天然鮎づくしがいただけるお店です。落ち着いた外観に比べて、インテリアがログハウスのようなカジュアルさではありますが、塩焼きが絶品です。

岐阜駅から向かう際に、今回初めて岐阜バスのICカード、「アユカ」を購入しました。実はこのアユカは私が2006年にデザインしたもので、クライアントの要望により裏面に私の名前がクレジットされています。そのため、岐阜の友人からの年賀状では「名前見ました。すごい!」とか「子どもが持っているので、自慢しています」など、地元の仕事でしかありえない貴重なリアクションが得られました。

ネーミング案がいくつかあった中から、岐阜らしさと親しみやすさのある「ayuca」を選び、バスという公共交通機関を使うことで長良川の清流に代表される美しい自然を守れたら、というコンセプトでデザインしました。定期券として使用されることも多いため、文字情報がかかっても邪魔にならない位置に鮎のファミリーを配しています。

今夜は飛騨牛の「花ざくろ」。こちらも毎回訪れる岐阜の定番のお店です。それを楽しみに、もう少し原稿書きをしようと思います。

きゅうりとデザイン

ここ数年、農産物の分野にも「デザイン」が入ってきているのを感じます。以前より食の安全、安心、その上での美味しさが求められる時代になり、作り手と消費者のコミュニケーションが重要になってきたことの現れでもあるのでしょう。「何々産のお米」「誰々さんの野菜」といった表現はすでに定着した感がありますが、より進化して、ものづくりのストーリーも伝えるブランディングの動きが出てきているようです。
つい最近、私にも、美味しいきゅうりをつくる農家さんのグループをデザインでお手伝いする仕事の依頼がありました。現在、市場に出回っているきゅうりの大部分は、ブルームレスきゅうりと呼ばれる色つやが良くて皮が固めのものですが、彼らが作っているのは、昔ながらの表面に白い粉をふいたブルームきゅうり。皮がやわらかくて歯ぎれも良く、生協でよく購入していたので、私にはむしろこちらの方がおなじみでした。
グループのメンバーである海老原ファームさんからどっさり送られてきた、素晴らしく力強い味わいの野菜を一週間で平らげた私は、喜んでこの仕事をお引き受けしました。

一昨日の夜、渡辺幸裕氏のギリークラブの主催でこの農家さんたちのきゅうりを主役にした「きゅうりとマクロビ」というパーティーがありました。料理研究家の庄司いづみさんのきゅうり料理の実演と、チャヤマクロビの浅場康司総料理長によるきゅうり料理の数々を味わえる、なかなかない貴重な体験。農家のみなさんも、我が子の変身ぶりに驚きながらも舌鼓を打っておられました。

まずは、きゅうり畑を訪ねるリサーチに行ってこようと思います。