きゅうりとデザイン

ここ数年、農産物の分野にも「デザイン」が入ってきているのを感じます。以前より食の安全、安心、その上での美味しさが求められる時代になり、作り手と消費者のコミュニケーションが重要になってきたことの現れでもあるのでしょう。「何々産のお米」「誰々さんの野菜」といった表現はすでに定着した感がありますが、より進化して、ものづくりのストーリーも伝えるブランディングの動きが出てきているようです。
つい最近、私にも、美味しいきゅうりをつくる農家さんのグループをデザインでお手伝いする仕事の依頼がありました。現在、市場に出回っているきゅうりの大部分は、ブルームレスきゅうりと呼ばれる色つやが良くて皮が固めのものですが、彼らが作っているのは、昔ながらの表面に白い粉をふいたブルームきゅうり。皮がやわらかくて歯ぎれも良く、生協でよく購入していたので、私にはむしろこちらの方がおなじみでした。
グループのメンバーである海老原ファームさんからどっさり送られてきた、素晴らしく力強い味わいの野菜を一週間で平らげた私は、喜んでこの仕事をお引き受けしました。

一昨日の夜、渡辺幸裕氏のギリークラブの主催でこの農家さんたちのきゅうりを主役にした「きゅうりとマクロビ」というパーティーがありました。料理研究家の庄司いづみさんのきゅうり料理の実演と、チャヤマクロビの浅場康司総料理長によるきゅうり料理の数々を味わえる、なかなかない貴重な体験。農家のみなさんも、我が子の変身ぶりに驚きながらも舌鼓を打っておられました。

まずは、きゅうり畑を訪ねるリサーチに行ってこようと思います。